ふと目に入ったスクリーンショットから始めてみたフリーゲーム『ミナモユレ』が、かなり楽しめたので、紹介+感想を。少し長めなので、「つづきはこちらから」からどうぞ。
グラフィック・システム・シナリオのそれぞれを好きになったのですが、まず、システム面から。
このゲームのシステムはかなり独特なもので、要約すると以下のようなものになっています。
・マップはレール方式(移動可能箇所がライン状になっている造り)で、敵との戦闘/パラメータ強化/装備習得/会話イベントの要素は、全て移動可能範囲内からシンボルを『調べる』ことで始動される。
・戦闘終了後に、必ずHP/MPは全回復される。
・所持通貨/経験値の概念が存在しない。それらを増加・蓄積するための、無限に戦うことが可能な敵(ザコモンスター)の概念もない。
・敗北/逃走のペナルティは作中を通して一切存在しない。すぐに同じグループと再戦可能。
・『章』が終了するごとに、全てのパラメータと所持装備/アイテムがリセットされる。
……以上のようなルールのために、RPGというよりは、ツクール2000のデフォルト戦闘システムを利用したパズルゲームのような趣があります。
私ペンフェンが非常に評価したいのが、一戦ごとの戦闘バランス。このゲームにおいて、『初戦で勝つ』ということは、中盤以降はほぼ無いと見て良いでしょう。一戦ごとの戦闘バランスは、極めてギリギリの作りになっています。数回の戦闘で敵の攻撃パターンと弱点属性を把握して、受ける攻撃を極力減らしつつ、最も効率的にダメージを与えていく戦法を模索することがプレイ全体の主たる課題になります。特に戦法を考えずに戦闘を攻略するのはかなり厳しい(場合によっては不可能)ですが、逆に『解法』を理解さえすれば、驚くほどスムーズに撃破することができるでしょう。強敵に勝った瞬間の喜び・開放感は大きいです。
特に注目して欲しいのは、終盤の敵グループ。『解法』が緻密に計算されている印象を受けました。
手強い敵との戦いが続きますが、敗北時のペナルティが一切存在せず、すぐに同じ敵と再戦することが可能なのもポイントです。次は戦術をこういう感じに組み替えて戦ってみよう――と、あれこれ試行錯誤できる仕組みが整っています。
また、私が個人的に興味深いと感じたシステムは、上記の箇条書きの最後の箇所。区切りごとに『蓄積』が消失してしまうので、次の章では全く違う装備・違う技を身に付け、それに合った戦法を心得て敵に立ち向かう必要性が生じます。『全てのプレイヤーが同じラインに立たされる』ということですね。
『ヒントちゃん』のシステムも好感触でした。それぞれの敵グループに『ヒントちゃん』のコメントが付属しており、敗北/逃走時には勝つためのヒントを与えてくれるシステムです。このヒントちゃん、ゲームの終盤で出現しなくなってしまうのですが、それはつまり、今までのプレイで学習してきたプレイのノウハウがヒント無しで試される――ということでもあります。この構成は、上手いなあ、と素直に感心しました。
物語について。シナリオは、極めて王道のジュブナイルです。『少年少女が謎や困難に直面し、戸惑いつつも、最終的には悪に立ち向かっていく』という健全な姿勢が作中で一貫しており、好感が持てました。どこか懐かしいような雰囲気を纏った物語。『良い意味で児童漫画風の語り口』――と感じます。
作者様によるオリジナルグラフィックも個性的。
人形のような可愛らしい主人公一行のグラフィックも良いのですが(私がプレイを始めようと思った動機も彼女たちの写ったスクリーンショットでした)、なんとも奇妙なモンスター達にもご注目あれ。基本的に愛らしいデザインなのに、ほとんどの敵のどこかしらが造形的に歪んでおり、少しだけ、怖い。私としては、同種類の強化モンスターのネーミングセンスが好きでした。ほのぼのとした印象を与えてくれます。
最後に、惜しいと思った点を、二つ。
まず、この『ミナモユレ』で使われているBGMは、全てRPGツクール2000のRTP(ランタイムパッケージ)のものになっています。決して悪い訳ではないのですが、恐らく、多くのフリーゲームプレイヤー・RPGツクール2000使用者は聞き慣れてしまっているものではないでしょうか。かくいうペンフェンもツクール2000とは付き合いが長いので、耳に馴染みきった曲になってしまっています。
全編を通してアートデザインが個性的なゲームなので、それに合ったBGMが使われていれば、より世界に没入できたと思うのですが……。
もう一つ。ゲームを通してたった一つだけ、とても手強い敵グループがいました。最善の装備・行動パターンを考えて何度戦っても負けてしまい、『もうムリなんじゃ……』と諦めかけてしまいました。それから続けて何度も同じ戦法を繰り返した結果、運良く勝利できましたが、どうやら『ツクール2000の戦闘システムのランダム要素』に勝敗が大きく委ねられてしまっているようなのです。全編を通して本当に良く練られた作りの戦闘バランスなのですが、この一箇所だけ、かなり勝率が低くなってしまっていると思われます。
何はともあれ、個人的にはかなり楽しめたゲームでした。
パズル的なRPGを遊びたい方、どこか懐かしいような『子供たちの冒険物語』に触れたい方に、お勧めです。
「ふりーむ」内登録ページ : http://www.freem.ne.jp/game/win/g02861.html
作者様のサイト : http://gyupaku1201.web.fc2.com/
このゲームのシステムはかなり独特なもので、要約すると以下のようなものになっています。
・マップはレール方式(移動可能箇所がライン状になっている造り)で、敵との戦闘/パラメータ強化/装備習得/会話イベントの要素は、全て移動可能範囲内からシンボルを『調べる』ことで始動される。
・戦闘終了後に、必ずHP/MPは全回復される。
・所持通貨/経験値の概念が存在しない。それらを増加・蓄積するための、無限に戦うことが可能な敵(ザコモンスター)の概念もない。
・敗北/逃走のペナルティは作中を通して一切存在しない。すぐに同じグループと再戦可能。
・『章』が終了するごとに、全てのパラメータと所持装備/アイテムがリセットされる。
……以上のようなルールのために、RPGというよりは、ツクール2000のデフォルト戦闘システムを利用したパズルゲームのような趣があります。
私ペンフェンが非常に評価したいのが、一戦ごとの戦闘バランス。このゲームにおいて、『初戦で勝つ』ということは、中盤以降はほぼ無いと見て良いでしょう。一戦ごとの戦闘バランスは、極めてギリギリの作りになっています。数回の戦闘で敵の攻撃パターンと弱点属性を把握して、受ける攻撃を極力減らしつつ、最も効率的にダメージを与えていく戦法を模索することがプレイ全体の主たる課題になります。特に戦法を考えずに戦闘を攻略するのはかなり厳しい(場合によっては不可能)ですが、逆に『解法』を理解さえすれば、驚くほどスムーズに撃破することができるでしょう。強敵に勝った瞬間の喜び・開放感は大きいです。
特に注目して欲しいのは、終盤の敵グループ。『解法』が緻密に計算されている印象を受けました。
手強い敵との戦いが続きますが、敗北時のペナルティが一切存在せず、すぐに同じ敵と再戦することが可能なのもポイントです。次は戦術をこういう感じに組み替えて戦ってみよう――と、あれこれ試行錯誤できる仕組みが整っています。
また、私が個人的に興味深いと感じたシステムは、上記の箇条書きの最後の箇所。区切りごとに『蓄積』が消失してしまうので、次の章では全く違う装備・違う技を身に付け、それに合った戦法を心得て敵に立ち向かう必要性が生じます。『全てのプレイヤーが同じラインに立たされる』ということですね。
『ヒントちゃん』のシステムも好感触でした。それぞれの敵グループに『ヒントちゃん』のコメントが付属しており、敗北/逃走時には勝つためのヒントを与えてくれるシステムです。このヒントちゃん、ゲームの終盤で出現しなくなってしまうのですが、それはつまり、今までのプレイで学習してきたプレイのノウハウがヒント無しで試される――ということでもあります。この構成は、上手いなあ、と素直に感心しました。
物語について。シナリオは、極めて王道のジュブナイルです。『少年少女が謎や困難に直面し、戸惑いつつも、最終的には悪に立ち向かっていく』という健全な姿勢が作中で一貫しており、好感が持てました。どこか懐かしいような雰囲気を纏った物語。『良い意味で児童漫画風の語り口』――と感じます。
作者様によるオリジナルグラフィックも個性的。
人形のような可愛らしい主人公一行のグラフィックも良いのですが(私がプレイを始めようと思った動機も彼女たちの写ったスクリーンショットでした)、なんとも奇妙なモンスター達にもご注目あれ。基本的に愛らしいデザインなのに、ほとんどの敵のどこかしらが造形的に歪んでおり、少しだけ、怖い。私としては、同種類の強化モンスターのネーミングセンスが好きでした。ほのぼのとした印象を与えてくれます。
最後に、惜しいと思った点を、二つ。
まず、この『ミナモユレ』で使われているBGMは、全てRPGツクール2000のRTP(ランタイムパッケージ)のものになっています。決して悪い訳ではないのですが、恐らく、多くのフリーゲームプレイヤー・RPGツクール2000使用者は聞き慣れてしまっているものではないでしょうか。かくいうペンフェンもツクール2000とは付き合いが長いので、耳に馴染みきった曲になってしまっています。
全編を通してアートデザインが個性的なゲームなので、それに合ったBGMが使われていれば、より世界に没入できたと思うのですが……。
もう一つ。ゲームを通してたった一つだけ、とても手強い敵グループがいました。最善の装備・行動パターンを考えて何度戦っても負けてしまい、『もうムリなんじゃ……』と諦めかけてしまいました。それから続けて何度も同じ戦法を繰り返した結果、運良く勝利できましたが、どうやら『ツクール2000の戦闘システムのランダム要素』に勝敗が大きく委ねられてしまっているようなのです。全編を通して本当に良く練られた作りの戦闘バランスなのですが、この一箇所だけ、かなり勝率が低くなってしまっていると思われます。
何はともあれ、個人的にはかなり楽しめたゲームでした。
パズル的なRPGを遊びたい方、どこか懐かしいような『子供たちの冒険物語』に触れたい方に、お勧めです。
「ふりーむ」内登録ページ : http://www.freem.ne.jp/game/win/g02861.html
作者様のサイト : http://gyupaku1201.web.fc2.com/
PR
トラックバック
トラックバックURL: